【町田市の税理士が解説!】技能実習生の受け入れと建設業許可の深い関係とは?中小建設業の社長が知っておくべき「人が集まる会社」の条件
最近、多くの建設業の社長から、このようなご相談をいただく機会が非常に増えています。
「とにかく現場の手が足りない。外国人の技能実習生を受け入れたいんだけど、うちの会社でも大丈夫かな?」
「実習生を受け入れるには『建設業許可』が必要って聞いたんだけど、本当?」
深刻な人手不足が続く建設業界において、外国人技能実習生や特定技能外国人といった「外国人材の活用」は、今や企業の存続と成長を左右する一大テーマです。
しかし、技能実習生を雇用するためには、単に「受け入れ機関(組合)を探す」だけでなく、「自社が法的な要件を満たしているか」、とりわけ「建設業許可を持っているか」が極めて重要なカギを握っています。
今回は、技能実習生の受け入れと建設業許可の関係性、そしてそれをクリアした先に待っている財務的なメリットについて、税理士の視点からわかりやすく解説します。
なぜ「技能実習生の受け入れ」に建設業許可が必要なのか?
結論から言うと、建設業において外国人技能実習生を受け入れる場合、原則として「建設業許可」の取得が義務化されています。
これは2020年(令和2年)に国土交通省が告示した基準によるもので、外国人材の適正な就労環境を守り、いわゆる不適切な事業者(ペーパーカンパニーや、劣悪な環境で働かせる業者)を排除するための措置です。
以前は「許可がなくても、実務実績があれば受け入れられるケース」もありましたが、現在はルールが厳格化されています。
許可がないと、スタートラインにも立てない
実習生の受け入れ手続きを進める中で、「経営業務管理責任者(経管)」や「専任技術者(専技)」が社内にいるか、社会保険に適切に加入しているかといった、建設業許可の有無が厳しくチェックされます。
つまり、「人手が足りないから実習生を呼びたい」と思っても、建設業許可を持っていなければ、受け入れの申請自体が通らないということになります。
建設業許可を取得する「3つの壁」と、その乗り越え方
「じゃあ、すぐに建設業許可を取ろう!」となっても、一筋縄ではいかないのが建設業許可の難しいところです。特に以下の3つの要件(壁)で社内がバタバタすることがよくあります。
① 「経営業務管理責任者(常勤役員等)」の壁
経営者としての経験が5年以上(※要件緩和により、補佐をつけることで短縮されるケースもあります)ある人が、常勤の役員等にいなければなりません。社長ご自身のこれまでの経営経験や、過去の確定申告書、注文書などの証明書類が揃っているかが勝負の分かれ目です。
② 「専任技術者」の壁
各営業所に、国家資格(施工管理技士や建築士など)を持っている人、または10年以上の実務経験を持つ技術者を「常勤」で配置する必要があります。中小企業の場合、社長が①と②を兼任するケースが多いですが、書類での「実務経験の証明」は過去10年分の注文書や請求書が必要になるため、非常に骨が折れる作業です。
③ 「財産的基礎(500万円)」の壁
許可を取得するためには、「自己資本が500万円以上あること」、または「500万円以上の資金調達能力があること(銀行の残高証明書などで証明)」が必要です。
決算書の「純資産の部」の合計が500万円以上あれば問題ありませんが、赤字が続いて債務超過になっている場合などは、直近で銀行から500万円以上の残高証明書を発行してもらう必要があります。この「タイミング」や「資金繰り」のコントロールは、私たち税理士が最も力を発揮できる部分です。
実習生受け入れにかかる「コスト」を財務視点で考える
建設業許可を無事に取得し、技能実習生を雇用するとなると、次に社長が直面するのが「お金(コスト)」の問題です。
「外国人だから、日本人より安く雇えるだろう」というのは、一昔前の、そして大きな誤解です。現在は「日本人と同等以上の給与水準」が義務付けられています。さらに、以下のような「実習生特有のコスト」が発生します。
- 受け入れ初期費用(渡航費、現地での面接費用、事前講習費など:1人あたり数十万円)
- 監理団体への月額費用(毎月の指導・監理費:1人あたり数万円/月)
- 住居の確保・生活備品の準備費用
これらはすべて、会社の「固定費」として重くのしかかってきます。
だからこそ、実習生を受け入れる前には、「何人受け入れたら、毎月の現場の売上がいくら増え、固定費を差し引いていくら利益が残るのか」という、精緻な経営計画が絶対に不可欠です。
建設業許可×外国人材がもたらすメリット
ここまで読むと「手続きは面倒だし、お金もかかるな……」と思われるかもしれません。しかし、このハードルを越えた先には、競合他社に圧倒的な差をつけるメリットがあります。
- 大型案件の受注・元請けからの信頼獲得
建設業許可を持っているだけで、500万円以上の大きな工事を受注できるようになります。さらに、コンプライアンス(法令遵守)を重視する大手ゼネコンや元請け企業から、「あの会社は許可も持っていて、人材も安定しているから安心して仕事を任せられる」と選ばれるようになります。
- 「若手の人材難」の根本的な解決
国内の若手を採用するのは至難の業ですが、技能実習生(または特定技能)であれば、意欲の高い20代・30代の若い労働力を計画的に確保できます。現場が若返り、活気が生まれます。
まとめ
「技能実習生を雇いたい」という想いからスタートして「建設業許可の取得」へ進むプロセスは、会社の経営基盤を一気に強固にする大チャンスです。
当事務所では、建設業許可の取得に必要な「直近の決算書のチェック」や「500万円の財産要件をクリアするための資金繰り対策」はもちろん、許可取得後の「外国人材雇用に伴うコストシミュレーション・経営計画の策定」まで、社長に伴走してトータルでサポートいたします。
提携している行政書士のご紹介も可能ですので、「うちの会社でも許可は取れる?」「実習生を雇った場合の資金繰りが心配……」という方も、ぜひ一度町田市の小池税理士事務所までお気軽にご相談ください!

