【令和8年4月スタート】協会けんぽの健診が大幅リニューアル!経営者が知っておくべき「3つの変更点」と実務のポイント
日頃より企業の経営を支える事業主の皆さま、人事・総務担当の皆さま、2026年(令和8年)4月から「協会けんぽ(全国健康保険協会)」の健康診断制度が大幅に手厚く、新しく生まれ変わったことをご存じでしょうか 。
健康経営や従業員の福利厚生の充実は、優秀な人材の定着や生産性向上に直結する重要な経営課題です。今回の改正は、現役世代の健康をより力強くサポートする魅力的な内容となっています 。
本記事では、税理士の視点も交えながら、今回のリニューアルにおける「3つの大きな変更点」と、企業が押さえておくべき実務の流れについて分かりやすく解説します。
今回の法改正・リニューアルの背景
少子高齢化が進む中、企業で働く「現役世代」が健康で長く活躍できる環境づくりが求められています 。協会けんぽでは、より良い健康を形づくる新たなピースとして、若年層へのアプローチや新たな検査項目の追加など、健診制度の大規模な拡充を決定しました 。
具体的には、令和8年4月から新しい健診がスタートします 。それでは、企業が注目すべき「もっと手厚くなる3つのポイント」を順に見ていきましょう 。
変更点1:人間ドック健診に「最高25,000円」の補助が開始!
これまで以上に健診の選択肢を広げ、より総合的な健康チェックを可能にするため、人間ドック健診への補助が新設されます 。
- 対象者: 35歳~74歳の被保険者(従業員本人)
- 補助額: 協会けんぽが 最高25,000円 を補助
- 健診内容: 通常の一般健診の項目に加え、さらに詳細な検査項目が追加されます 。さらに、受診当日の医師による丁寧な結果説明や、必要な方への特定保健指導まで含まれる、非常に手厚い総合的な健診パッケージです 。
経営層や40代・50代以降のミドル~シニア層の従業員に対して、従来の定期健診から人間ドックへのステップアップを促す絶好の機会となります。
変更点2:生活習慣病予防健診の対象を「若い世代」へ拡大!
従来の生活習慣病予防健診は「35歳以上」が主な対象でしたが、若いうちから健康意識を高めてもらうため、対象年齢が引き下げられます 。
- 対象者: 20歳、25歳、30歳 の被保険者(従業員本人)
- 自己負担額: 最高2,500円
- 健診内容: 血液検査や尿検査といった一般的な検査項目に、肺のがん検診(胸部X線等)をプラス した、若い世代向けの充実した内容です 。
入社して間もない若手社員や、20代の従業員が早い段階で自分の健康と向き合う素晴らしい機会になります 。企業側としても、わずかな自己負担で手厚い健診を提供できるため、福利厚生の強化アピールに繋がります 。
変更点3:40歳以上の女性を対象に「骨粗しょう症検診」がスタート!
自覚症状が出にくいものの、年齢とともにリスクが高まる女性の疾病対策として、新たに検診項目が追加されます 。
- 対象者: 一般健診・節目健診を受診する、40歳~74歳の「偶数年齢」の女性被保険者
- 自己負担額: 最高1,390円
- 検診内容: 問診のほか、骨の中にあるカルシウムやマグネシウム等の成分量(骨量)を測定します 。
自覚症状がない段階で早期発見・予防をすることで、将来的な骨折やそれに伴う休職リスクを未然に防ぐ効果が期待されます 。
重要】さらに「令和9年度」からは家族(被扶養者)も対象に!
今回のリニューアルは2段階に分かれており、企業の皆さまにぜひ知っておいていただきたいスケジュールがあります。
令和8年度(2026年4月〜): まずは従業員本人(被保険者)を対象にスタート 。 令和9年度(2027年4月〜): 上記でご紹介した新しい健診・補助のすべてが、従業員の「ご家族(被扶養者)」にも拡大 されます 。 従業員だけでなく、そのご家族の健康までカバーできるようになるため、企業の福利厚生制度の見直しや、令和9年度に向けた中長期的なアナウンスの準備を進めておくことをお勧めします 。
事業主・総務担当者が押さえるべき「健診受診の実務フロー」
今回の新しい健診について、協会けんぽへの面倒な事前申請手続きは原則不要です 。以下の簡単な3ステップで受診できます 。
- 健診機関に予約する 全国の協会けんぽ指定の健診機関で受診可能です 。従業員が希望する健診機関に直接予約を入れます 。
- 受診する 受診当日は、マイナ保険証(または従来の健康保険証)や、検査容器などを忘れずに持参するよう従業員へ周知してください 。(※保険資格の確認方法は、事前に健診機関へお問い合わせいただくと確実です 。)
- 健診結果を確認し、アフターフォローを行う 結果を確認し、生活習慣の改善が必要と判定された従業員には「特定保健指導の利用」を促し、要治療と判定された場合は「医療機関の受診」を勧奨するなど、企業として適切な事後措置を行いましょう 。
税理士からのワンポイントアドバイス:健康経費の税務扱い
安全衛生保険法で定められた定期健康診断の費用は、全額会社負担となりますが、企業が従業員の健康管理の一環として、人間ドック費用の会社負担を検討している場合は下記の2つの要件を満たすことで、税務上「福利厚生費」として全額損金(経費)算入することが可能です。
- 全従業員(または一定年齢以上の希望者全員)が対象であること
「全従業員」または「40歳以上の全従業員」など、合理的な基準(年齢や勤続年数など)を満たす全対象者に受診機会を提供することが前提です。
- 費用が著しく高額でないこと
常識の範囲内の金額(今回の協会けんぽの補助等を活用した自己負担分など)であること
今回のリニューアルにより、会社側の費用負担を抑えつつ、より手厚い福利厚生制度を構築できるようになります 。
「自社の今の健診制度をどのように見直すべきか」「経費処理で注意すべき点はどこか」など、具体的な実務や税務に関するご相談がございましたら、いつでも町田市の小池税理士事務所までお気軽にお問い合わせください。新制度を賢く活用し、従業員の健康と会社の成長を両立させていきましょう!

