金利上昇局面で「繰上返済」はした方がいい?会社に現預金を残すこととの比較
最近の金利上昇を受けて、会社にある程度の預金がある経営者から、「借入金を繰上返済した方がいいですか?」という相談を受けることがあります。
確かに、借入金を繰上返済すれば、その後に支払う利息を減らすことができます。特に金利が上昇する局面では、早めに返済した方が得なのではないかと考えるのも自然です。
しかし、会社経営では「支払利息を減らすこと」だけが正解とは限りません。
場合によっては、多少の利息を支払ってでも会社に現預金を残しておいた方がよいこともあります。また、中小企業の場合には、金融機関との今後の関係も考えておく必要があります。
今回は、中小企業が借入金の繰上返済を検討する際に考えておきたいポイントを解説します。
繰上返済をすれば、当然その後の利息は減る
繰上返済の最大のメリットは、支払利息を減らせることです。
例えば、借入残高3,000万円、金利2%の借入金があるとします。
単純計算では、3,000万円に対して年間60万円程度の利息が発生します。実際には毎月元金を返済して残高が減少するため利息も徐々に減りますが、繰上返済をすれば、その分だけ将来の利息負担を軽減できます。
特に、会社に使う予定のない余剰資金が十分にあり、借入金利が比較的高いのであれば、繰上返済を検討する合理性はあります。
ただし、利息が減るというメリットだけで繰上返済を決めてしまうのは注意が必要です。
「預金1,000万円と借入1,000万円」は相殺して考えない
会社の貸借対照表を見て、「預金が3,000万円あって借入金が2,000万円だから、2,000万円を返しても問題ない」と考えてしまうことがあります。
しかし、実際の会社経営では、現預金と借入金を単純に相殺して考えることはできません。
例えば、預金2,000万円を使って借入金2,000万円を全額返済した直後に、
- 売上が大きく減少した
- 得意先からの入金が遅れた
- 高額な設備の故障が発生した
- 税金の支払いが重なった
といった事態が発生したとします。
借入金はゼロでも、手元に現金がなければ支払いはできません。
会社が資金ショートするかどうかは、借入金の多さではなく、支払日に必要な現金を持っているかどうかで決まります。
この点は、繰上返済を考えるうえで非常に重要です。
一度返したお金を、必要なときに再び借りられるとは限らない
一度返したお金を、必要なときに再び借りられるとは限らない
「必要になったら、また銀行から借りればいい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、融資は会社がお金を必要としているときほど受けにくくなることがあります。
業績が好調で現預金にも余裕がある時期であれば、金融機関も融資を検討しやすいでしょう。
一方、
「赤字が続いて預金がほとんどなくなったので、運転資金を貸してください」
という状況になると、金融機関としても慎重にならざるを得ません。
したがって、現在借りられている資金を繰上返済する場合には、返済後の手元資金で十分に事業を継続できるかを確認する必要があります。
繰上返済では金融機関との関係にも注意する
もう一つ考えておきたいのが、取引金融機関との関係です。
金融機関にとって融資は主要な取引の一つであり、貸出によって得られる利息は収益になります。そのため、金融機関側から見ると、予定していた返済期間よりも早く繰上返済されることを必ずしも歓迎するとは限りません。
特に、金融機関から融資の提案を受けて借りた直後に、
「やはり使わなかったので全額返します」
といった対応を繰り返せば、今後の取引関係に影響する可能性もあります。
もちろん、繰上返済をしたからといって、その金融機関から今後融資を受けられなくなるということではありません。
ただ、中小企業にとって金融機関との関係は、単に「お金を借りる相手」というだけではありません。
会社が順調なときから融資取引を継続し、決算内容や事業計画について情報共有しておくことで、設備投資や事業拡大などで資金が必要になったときに相談しやすくなります。
また、予想外の売上減少などによって資金繰りが厳しくなった場合にも、普段から取引のある金融機関があることは大きな意味を持ちます。
そのため、
「預金が増えたから、とりあえず借入金を全部返してしまおう」
と判断するのではなく、今後その金融機関とどのような取引をしていきたいのかも含めて考えた方がよいでしょう。
繰上返済を検討する場合には、担当者に事前に相談し、
「手元資金が増えてきたので、一部返済を検討している」
などと伝えながら進める方法もあります。
利息だけを見れば繰上返済した方が得でも、長期的な資金調達まで考えると、あえて約定どおり返済を続けるという判断も十分にあり得ます。
「金利2%を払うのがもったいない」だけで判断しない
例えば、会社に3,000万円の預金があり、1,000万円の借入金を金利2%で借りているとします。
「年間20万円程度の利息を払うくらいなら返済した方がいい」
という考え方もできます。
しかし、1,000万円を返済することで会社の現預金は3,000万円から2,000万円になります。
つまり、この場合は、年間の利息を節約するために、1,000万円の手元流動性を手放すという判断でもあります。
さらに、その借入を維持することによって金融機関との融資取引が継続するという側面もあります。
年間の利息負担、手元資金の余裕、金融機関との関係。この3つを総合的に考える必要があります。
では、現預金はいくら残せばよい?
必要な手元資金は、業種や会社の規模、入金と支払いのタイミングなどによって大きく異なります。そのため、「必ず○か月分あれば大丈夫」と一律に決めることはできません。
そのうえで、小池税理士事務所では、一般的な目安として「月商の2~3か月分程度」の現預金を確保しておくことをおすすめしています。
例えば、平均月商が1,000万円の会社であれば、2,000万円~3,000万円程度が一つの目安になります。
もちろん、この金額を厳密に守らなければならないという意味ではありません。
例えば、毎月安定して売上代金が入金され、固定費も少ない会社であれば、月商2か月分を下回っていても資金繰りに問題がないケースがあります。
反対に、
- 売上の季節変動が大きい
- 売掛金の入金までの期間が長い
- 人件費などの固定費が大きい
- 大口取引先への依存度が高い
- 今後、大きな設備投資を予定している
といった会社では、月商3か月分を超える現預金を持っていた方が安心な場合もあります。
したがって、月商2~3か月分という数字は、あくまで**「自社の手元資金は十分なのか」を考えるための出発点**として利用するとよいでしょう。
繰上返済を検討する場合にも、現在の預金残高だけを見るのではなく、繰上返済をした後でも月商2~3か月分程度の手元資金を確保できるかという視点を一つの判断材料にすることができます。
さらに、
- 毎月の人件費や家賃
- 仕入・外注費
- 借入金の返済額
- 税金・社会保険料
- 売掛金の回収期間
- 今後予定している設備投資
などを踏まえて、必要な現預金を会社ごとに考えていくことが重要です。
必要な手元資金は、業種や会社の規模、入金と支払いのタイミングなどによって大きく異なります。そのため、「必ず○か月分あれば大丈夫」と一律に決めることはできません。
そのうえで、小池税理士事務所では、一般的な目安として「月商の2~3か月分程度」の現預金を確保しておくことをおすすめしています。
例えば、平均月商が1,000万円の会社であれば、2,000万円~3,000万円程度が一つの目安になります。
もちろん、この金額を厳密に守らなければならないという意味ではありません。
例えば、毎月安定して売上代金が入金され、固定費も少ない会社であれば、月商2か月分を下回っていても資金繰りに問題がないケースがあります。
反対に、
- 売上の季節変動が大きい
- 売掛金の入金までの期間が長い
- 人件費などの固定費が大きい
- 大口取引先への依存度が高い
- 今後、大きな設備投資を予定している
といった会社では、月商3か月分を超える現預金を持っていた方が安心な場合もあります。
したがって、月商2~3か月分という数字は、あくまで**「自社の手元資金は十分なのか」を考えるための出発点**として利用するとよいでしょう。
繰上返済を検討する場合にも、現在の預金残高だけを見るのではなく、繰上返済をした後でも月商2~3か月分程度の手元資金を確保できるかという視点を一つの判断材料にすることができます。
さらに、
- 毎月の人件費や家賃
- 仕入・外注費
- 借入金の返済額
- 税金・社会保険料
- 売掛金の回収期間
- 今後予定している設備投資
などを踏まえて、必要な現預金を会社ごとに考えていくことが重要です。
繰上返済を検討しやすいケースとは?
必要な手元資金は、業種や会社の規模、入金と支払いのタイミングなどによって大きく異なります。そのため、「必ず○か月分あれば大丈夫」と一律に決めることはできません。
そのうえで、小池税理士事務所では、一般的な目安として「月商の2~3か月分程度」の現預金を確保しておくことをおすすめしています。
例えば、平均月商が1,000万円の会社であれば、2,000万円~3,000万円程度が一つの目安になります。
もちろん、この金額を厳密に守らなければならないという意味ではありません。
例えば、毎月安定して売上代金が入金され、固定費も少ない会社であれば、月商2か月分を下回っていても資金繰りに問題がないケースがあります。
反対に、
- 売上の季節変動が大きい
- 売掛金の入金までの期間が長い
- 人件費などの固定費が大きい
- 大口取引先への依存度が高い
- 今後、大きな設備投資を予定している
といった会社では、月商3か月分を超える現預金を持っていた方が安心な場合もあります。
したがって、月商2~3か月分という数字は、あくまで**「自社の手元資金は十分なのか」を考えるための出発点**として利用するとよいでしょう。
繰上返済を検討する場合にも、現在の預金残高だけを見るのではなく、繰上返済をした後でも月商2~3か月分程度の手元資金を確保できるかという視点を一つの判断材料にすることができます。
さらに、
- 毎月の人件費や家賃
- 仕入・外注費
- 借入金の返済額
- 税金・社会保険料
- 売掛金の回収期間
- 今後予定している設備投資
などを踏まえて、必要な現預金を会社ごとに考えていくことが重要です。
繰上返済を検討しやすいケースとは?
例えば、
- 繰上返済後も月商2~3か月分程度を目安とした十分な現預金が残る
- 今後大きな設備投資を予定していない
- 比較的金利の高い借入がある
- 毎月安定したキャッシュフローがある
- 金融機関との今後の取引方針も確認できている
といった場合には、繰上返済を検討する余地があります。
反対に、繰上返済によって手元資金が月商1か月分程度まで減ってしまうような場合には、利息を削減できるメリットだけで判断せず、慎重に検討した方がよいでしょう。
また、今後もその金融機関から資金調達を行いたいのであれば、安易に全額返済するのではなく、担当者と相談したうえで判断することをおすすめします。
まとめ
金利上昇局面では、借入金の繰上返済を検討すること自体は有効です。
しかし、
「金利が上がったから返す」
「預金があるから返す」
という単純な判断はおすすめできません。
繰上返済を検討するときには、
①どのくらい利息を削減できるのか
②返済後に十分な現預金が残るのか
③今後の設備投資や運転資金は十分か
④金融機関との今後の関係に問題はないか
という複数の視点から考えることが大切です。
小池税理士事務所では、手元資金について月商の2~3か月分程度を一つの目安としていますが、必要な金額は会社ごとに異なります。
特に中小企業にとっては、多少の利息を支払ってでも手元資金を確保し、金融機関との融資取引を継続することに意味があるケースもあります。
金利環境が変化している今は、「借入を減らすべきか」だけではなく、自社にとって適正な借入額と現預金はいくらなのかを考える良い機会です。
小池税理士事務所では、決算書や借入状況、今後の資金繰りなどを踏まえた融資・資金調達のご相談にも対応しています。繰上返済や今後の借入について迷われている場合には、金融機関へ話をする前に、一度会社全体の資金繰りを整理してみることをおすすめします。

