【町田市の融資に強い税理士が解説!】金利上昇時代の中小企業の資金調達~今こそ見直したい借入と資金繰り
長く続いた低金利環境から状況が変わり、企業の借入金利にも少しずつ上昇の動きが見られるようになりました。
中小企業の経営者にとって、「今後、借入金の金利はどこまで上がるのか」「金利が上がるなら借入を減らした方がいいのか」「設備投資を予定しているが、今借りても大丈夫なのか」といった点は気になるところではないでしょうか。
しかし、金利が上昇しているからといって、単純に「借入を減らすこと」が正解とは限りません。大切なのは、金利だけを見るのではなく、会社の資金繰りや今後の投資計画まで含めて考えることです。
今回は、金利上昇局面で中小企業が考えておきたい借入と資金繰りのポイントについて解説します。
金利が上昇すると会社にはどのような影響がある?
最も分かりやすい影響は、借入金に対する支払利息の増加です。
例えば、借入残高5,000万円の会社で借入金利が平均1%上昇した場合、単純計算では年間約50万円の利息負担が増えることになります。
借入額が大きい会社ほど影響も大きくなるため、これまで金利をあまり意識していなかった会社でも、今後は借入条件を確認する必要性が高まってきます。
ただし、既存の借入金すべてについて、金利上昇の影響がすぐに発生するわけではありません。
借入金には固定金利と変動金利があり、固定金利で借りている場合には、原則として契約期間中の金利は変わりません。一方、変動金利の場合には、市場金利などの変化によって適用金利が上昇する可能性があります。
まずは自社の借入について、残高・金利・固定か変動か・返済期限・毎月返済額を一覧にしてみることをおすすめします。
金利が上がったからといって借入を減らせばよいとは限らない
金利が上昇すると、「預金があるなら借入を返済してしまった方がよいのでは?」と考える経営者もいらっしゃいます。
確かに、余剰資金を使って借入を返済すれば、将来の利息負担を減らすことができます。
しかし、会社経営では手元資金を確保しておくことも非常に重要です。
例えば、1,000万円の預金を使って1,000万円の借入を繰上返済すれば、利息は減ります。しかし、その直後に売上が減少したり、大きな設備修繕が発生したりすると、新たに資金調達が必要になるかもしれません。
その時に必ず融資を受けられるとは限りません。
そのため、「借入金利が高くなったから返済する」のではなく、「返済した後にどの程度の現預金が残るか」まで考えることが重要です。
資金繰りにはある程度の余裕を持たせる
会社に必要な現預金の金額は、業種や事業規模によって異なります。
一つの考え方として、毎月の固定的な支出の数か月分を手元に確保しておく方法があります。
例えば、毎月、
・人件費 300万円
・家賃 50万円
・その他固定費 150万円
で合計500万円程度の支出が発生する会社なら、3か月分だけでも1,500万円になります。
さらに、仕入代金や借入金返済、納税などもあります。
会社によっては、売上が減少してから資金不足になるまでの期間が想像以上に短いことがあります。
多少の利息を負担してでも一定の現預金を持っておくことが、経営の安定につながるケースもあります。
新規融資は「金利」だけで判断しない
設備投資などで新たな融資を検討する場合にも、金利は重要な判断材料です。
ただし、「以前より金利が高くなったから設備投資をやめる」と単純に判断する必要はありません。
例えば、3,000万円の設備を導入することで年間500万円の利益改善が見込めるのであれば、多少金利が上昇しても投資する合理性があるかもしれません。
重要なのは、借入によって発生する利息以上の利益やキャッシュフローを、その投資によって生み出せるかという点です。
設備投資、出店、人材採用などのための借入は、「金利が何%か」だけではなく、その資金を使って会社がどの程度成長できるのかという視点で考える必要があります。
公庫・銀行・信用金庫など複数の選択肢を持つ
資金調達を検討する場合、日本政策金融公庫、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用保証協会付き融資など、さまざまな選択肢があります。
金融機関によって、
・金利
・返済期間
・固定金利、変動金利
・信用保証料
・担保や保証条件
などが異なります。
そのため、単純に提示された金利だけを比較するのではなく、融資条件全体を比較することが大切です。
また、普段から複数の金融機関と関係を作っておくことも、将来の資金調達において有効です。
資金が必要になってから初めて金融機関を探すのではなく、余裕がある時期から決算書や事業計画について話せる関係を作っておくとよいでしょう。
金利上昇時こそ「借入一覧」を作ってみる
借入が複数ある会社では、経営者自身がすべての借入条件を把握できていないケースも珍しくありません。
そこで一度、
・金融機関名
・当初借入額
・現在残高
・金利
・固定金利または変動金利
・毎月返済額
・最終返済日
・保証協会利用の有無
などを一覧にしてみましょう。
一覧にすると、「この借入だけ金利が高い」「来年から返済額が大きく減る」「同じ金融機関への借入が集中している」といったことが見えてきます。
場合によっては借換えや返済期間の見直しなどを検討するきっかけにもなります。
まとめ~金利上昇を資金繰り見直しのきっかけに
金利上昇は、中小企業にとって確かにコスト増加の要因になります。
しかし、「金利が上がったから借入を減らさなければならない」と必要以上に考える必要はありません。
重要なのは、
・現在の借入条件を把握する
・変動金利と固定金利を確認する
・十分な手元資金を確保する
・新規融資は投資効果まで含めて判断する
・複数の資金調達手段を持っておく
ということです。
金利環境が変化している時期は、これまで何となく継続してきた借入や資金繰りを見直す良い機会でもあります。
決算書だけでなく、借入一覧や今後の資金繰りを一度整理してみると、自社にとって必要な現預金の水準や、今後の借入方針が見えてくることがあります。
新たな融資や借換えを検討する場合には、金利だけで判断せず、今後の事業計画や資金繰りを含めて金融機関や税理士などの専門家に相談しながら検討するとよいでしょう。
小池税理士事務所では金融機関と連携しながら融資のサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

