【町田市の創業融資に強い税理士が解説!】せどりやネット販売業を始める際の創業融資の注意点
インターネットの普及とともに、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどを活用した「せどり」や「ネット物販」のビジネスが注目を集めています。パソコン一台で始められる手軽さから、副業としても人気ですが、本格的に事業として始めたいと考える場合、開業資金の確保は大きな課題です。
その際、多くの人が利用を検討するのが「日本政策金融公庫」の創業融資制度です。自己資金が少なくても低金利・無担保で借りられる可能性がある一方で、ネット販売業特有の注意点も存在します。本記事では、せどりやネット物販を始める際の創業融資における注意点を詳しく解説します。
仕入れと販売の仕組みを明確に説明できるかがカギ
ネット物販においては、「どこから仕入れて、どうやって売るか」が最も重要なポイントです。特にせどり(商品を安く仕入れて高く販売するビジネスモデル)の場合、再現性や継続性をどう証明できるかが、創業融資の審査で重視されます。
注意点
- 「リサイクルショップやメルカリなどから仕入れてAmazonで販売します」といった曖昧な説明では、審査担当者の理解を得にくい。
- 安定した仕入れ先や販売ルートがないと、「持続可能な事業なのか?」と疑われる可能性が高い。
対策
- 具体的な仕入れ先(問屋、メーカー、輸入元など)や、これまでの仕入実績を提示する。
- 利益率や在庫回転率、販売実績データをExcel等でまとめて、事業計画書に添付する。
事業計画書はネット販売に特化した構成に
ネット販売業は、一般的な店舗型ビジネスとは収益構造が異なります。したがって、テンプレート通りの事業計画では審査に通りにくくなります。
注意点
- 「店舗の立地」や「通行量」といった一般的な観点ではなく、ネット集客やプラットフォームの活用がカギになる。
- 利益構造が複雑な場合、売上や原価の見通しが甘いと判断されやすい。
対策
- 利用するECモール(Amazon、楽天、自社ECなど)の手数料体系、出品戦略、広告費などを具体的に記載。
- 月別の売上予測と、それにかかる経費(広告、配送料、システム利用料など)を明記する。
自己資金の割合と貯め方
創業融資では、自己資金の有無が最も大きな審査ポイントのひとつです。一般的に、事業に必要な総資金の3割以上の自己資金が望ましいとされています。
注意点
- ネット販売は「仕入れさえできればすぐ売れる」と思われがちですが、融資審査では自己資金の少なさがマイナス評価になります。
- 親や知人から借りたお金を自己資金として申請すると、不正確な資金計画とみなされる可能性があります。
対策
- 開業を考え始めた時点から少しずつ貯蓄を行い、預金通帳で証明できるようにしておく。
- 貯金がある程度まとまった額になった段階で融資申請を検討するのがベストです。
クレジットカード利用履歴に注意
せどりを行う場合、仕入れにクレジットカードを利用する人が多いですが、その支払い状況や過去の信用情報は審査に大きく関係します。
注意点
- カードの返済が遅れた履歴があると、信用力にマイナスの影響があります。
- 多重債務やリボ払いが多い状態では「資金管理が甘い」と見なされるリスクも。
対策
- 融資申請の前にCICやJICCなどで自分の信用情報を確認し、問題があれば早めに対応。
- クレジットカードの利用は計画的に行い、未払いがない状態を維持する。
在庫管理と資金繰りの見通し
ネット物販は「売れ筋商品を見極めて効率よく売る」ことが利益の鍵となりますが、一方で在庫の管理が甘いと資金繰りが破綻しやすいビジネスでもあります。
注意点
- 在庫過多になってキャッシュフローが悪化し、融資後すぐに資金不足に陥るケースも少なくありません。
- 季節商品や流行商品は販売タイミングを逃すと、赤字リスクが高まります。
対策
- 在庫回転率の高い商品を選定し、月間仕入れ・売上計画を立てる。
- 資金繰り表を作成し、どの時点で現金が不足するかを把握しておく。
まとめ
せどりやネット販売は、低コストで始められる一方で、融資審査においては「計画性・継続性・信頼性」の3つが特に問われるビジネスです。
成功するためには:
- 仕入・販売の仕組みを論理的に説明する
- 事業計画書を具体的かつ現実的に作り込む
- 自己資金と信用情報を事前にしっかり整える
- 過去の実績があれば積極的に提示する
創業融資をうまく活用できれば、安定した仕入と販売が可能になり、事業を大きく育てるチャンスにもつながります。しっかり準備を整えて、理想のネットビジネスを成功に導きましょう。