【町田市の融資に強い税理士が解説!】借入金利が1%上がると返済負担はいくら増える?中小企業の借入を具体例で解説

近年の金利上昇を受けて、中小企業の経営者からも借入金利に関する関心が高まっています。

「借入金利が1%上がると、どのくらい負担が増えるのか?」

「すでに借りている融資にも影響があるのか?」

「金利が上がるなら、借入を減らした方がよいのか?」

こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。金利が1%上がると聞いても、それが会社の資金繰りにどの程度影響するのか、具体的にイメージするのは難しいものです。

今回は、借入金利が1%上昇した場合の負担増を具体的な数字で確認しながら、中小企業が考えておきたい資金繰りのポイントについて解説します。

借入金利が1%上がると利息はいくら増える?

まずは、借入金利が1%上昇した場合、支払利息がどの程度増えるのかを確認してみましょう。

例えば、金利が年2%から年3%に上昇した場合、借入残高ごとの年間利息は次のようになります。

借入残高年2%の利息年3%の利息年間増加額
1,000万円20万円30万円10万円
3,000万円60万円90万円30万円
5,000万円100万円150万円50万円
1億円200万円300万円100万円

※借入残高が1年間変わらないと仮定した単純計算です。実際には元金返済によって残高が減少するため、利息額も変動します。

借入残高が1,000万円であれば年間10万円の増加ですが、1億円になると年間100万円の負担増になります。

特に借入額の大きい会社では、金利がわずか1%上昇するだけでも、利益や資金繰りに無視できない影響が生じます。

毎月の返済額はどのくらい増える?

次に、毎月の返済額への影響を考えてみましょう。

例えば、3,000万円を5年間、元利均等返済で借りる場合、金利によって返済額は次のように変わります。

年2%年3%
毎月返済額約52.6万円約53.9万円
5年間の利息総額約155万円約234万円

金利が1%上がることで、毎月の返済額は約1.3万円、5年間の利息総額は約79万円増加します。

ただし、これは新たに5年間の融資を受ける場合の比較です。実際の中小企業の融資では、毎月一定額の元金を返済する「元金均等返済」も多く利用されています。

元金均等返済では、金利が上昇しても毎月返済する元金は変わらず、利息部分が増加します。つまり、金利が1%上がったからといって、毎月の返済額が一律に1%増えるわけではありません。

返済方法や借入残高、残りの返済期間によって影響は異なります。

すでに借りている融資にも影響はある?

金利上昇による影響を考えるうえで、まず確認したいのが「固定金利」と「変動金利」の違いです。

固定金利の場合

固定金利は、原則として契約で定められた期間中の金利が変わらない仕組みです。

そのため、市場金利が上昇しても、既存の借入について直ちに利息負担が増えるわけではありません。

ただし、固定金利の適用期間が終了する場合や、借換えを行う場合には、その時点の金利水準が影響する可能性があります。

変動金利の場合

変動金利は、基準となる金利の変化などによって借入金利が見直される仕組みです。

市場金利の上昇に伴い、既存の借入についても支払利息が増える可能性があります。

ただし、金利の見直し時期や方法は融資契約によって異なります。

まずは、自社の借入が固定金利なのか変動金利なのかを確認することが重要です。

金利上昇で利益と資金繰りはどう変わる?

支払利息が増加すると、その分だけ会社の利益は減少します。

例えば、年間の経常利益が300万円の会社で、金利上昇によって支払利息が50万円増加したとします。ほかの条件が変わらなければ、経常利益は250万円になります。

利益率が低い会社ほど、こうした負担増の影響を受けやすくなります。一方、資金繰りについては、利益とは別に考える必要があります。借入金の元金返済は損益計算書上の費用にはなりませんが、実際には現預金が減少します。そのため、決算書上では利益が出ていても、借入金返済によって資金繰りが厳しくなることがあります。

金利上昇の影響を確認する際には、利益への影響だけでなく、元金返済を含めた毎月の資金繰りを見ることが大切です。

金利が上がったら繰上返済をした方がよい?

金利が上昇すると、預金を使って借入金を繰上返済することを考える経営者もいらっしゃいます。

確かに、繰上返済によって借入残高を減らせば、その後の支払利息を削減できます。

しかし、安易な繰上返済には注意が必要です。

会社経営では、急な売上減少や設備の故障、得意先からの入金遅延などに備えて、一定の現預金を確保しておく必要があります。

小池税理士事務所では、一般的な目安として月商の2~3か月分程度の現預金を確保しておくことをおすすめしています。

もちろん、業種や資金繰りの状況によって必要な金額は異なるため、必ずこの水準を守らなければならないというものではありません。

また、繰上返済によって金融機関との融資取引が終了する場合、今後の取引関係にも配慮する必要があります。

金融機関にとって貸出利息は収益の一つであり、繰上返済を必ずしも歓迎するとは限りません。

今後も融資を受ける可能性があるのであれば、利息負担だけで判断せず、金融機関との関係も考慮することが重要です。

繰上返済についてはこちらの記事もご覧ください。
https://koike-tax.com/2026/10/05/company0040/

金利上昇時こそ借入状況を整理してみよう

金利上昇に備えるために、まず取り組みたいのが借入状況の整理です。

金融機関ごとに、次の項目を一覧にしてみましょう。

  • 現在の借入残高
  • 適用金利
  • 固定金利・変動金利の区分
  • 毎月の元金返済額
  • 最終返済日
  • 今後の金利見直し時期

複数の金融機関から借りている場合、借入条件を一覧にするだけでも、金利上昇の影響を受けやすい借入が見えてきます。

さらに、今後1年間の資金繰りを予測し、金利が0.5%、1%上昇した場合にどの程度の余裕が残るのかを確認しておくと安心です。

金利上昇を必要以上に心配するのではなく、具体的な数字で影響を把握することが大切です。

まとめ|金利上昇を資金繰り見直しのきっかけに

借入金利が1%上昇すると、借入残高5,000万円の会社では、単純計算で年間約50万円の利息負担が増えることになります。

決して小さな金額ではありませんが、金利が上昇したからといって、すぐに借入を減らすことが正解とは限りません。

会社にとって重要なのは、支払利息の削減だけでなく、十分な手元資金を確保し、安定した資金繰りを維持することです。

また、金融機関との良好な関係を継続することも、将来の資金調達を考えるうえでは大切な要素になります。

金利環境が変化している今は、**「借入金利が何%なのか」だけでなく、「会社全体でいくら借りていて、今後どの程度の返済負担があるのか」**を確認する良い機会です。

小池税理士事務所では、決算書や借入状況、今後の資金繰りなどを踏まえた融資・資金調達のご相談にも対応しています。

金利上昇による影響や今後の借入方針が気になる方は、一度自社の借入状況と資金繰りを整理してみてはいかがでしょうか。