【町田市の創業融資に強い税理士が業種別に解説!】飲食店を始める際の創業融資の注意点

これまで創業融資について色々とお話してきましたが、ご相談頂いた方から「この業界ではどうなんだ」とか「うちの業界でもこれで大丈夫ですか?」といったご質問をよく頂きます。そこで、業種ごとの注意点もお伝えしていければと思います。
今回は飲食業の創業融資について解説していきます。
飲食店の開業は、多くの人にとって夢の一つかもしれません。しかし、夢を実現するためには、資金の確保が欠かせません。特に、飲食業界は初期費用が高額になることが多く、日本政策金融公庫の創業融資を利用するケースがよく見られます。ただし、飲食店の開業には特有のリスクがあり、それを乗り越えるためには、創業融資を受ける際の注意点をしっかりと理解しておくことが重要です。

創業計画書の重要性

創業融資の審査では、創業計画書が最も重要な書類の一つです。特に飲食業界の場合、計画が具体的で現実的であることが審査通過の鍵となります。

注意点:

  • 市場調査の不足 :自分が開業したい地域の競合店の数や客層、価格帯を具体的に把握していないと、計画に説得力が欠けてしまいます。
  • 数字の裏付けがない予測: 売上や利益の見込みを立てる際、根拠のない予測は避けましょう。たとえば、「月に100万円の売上を達成する」という計画なら、1日あたりの客数や平均単価を明確に示す必要があります。

対策:

  • 地域や競合の徹底調査を行い、計画書に反映する。
  • 実現可能な数字を根拠と共に示し、事業の信頼性を高める。

業種の経験が問われる

飲食業界は、競争が激しく、運営の難易度が高い業種です。そのため、創業融資の審査では、申請者が飲食業に関する経験や知識を持っているかが重視されます。

注意点:

  • 業界未経験は不利 飲食業の実務経験がない場合、資金の適切な運用や日々の運営が難しいと判断される可能性があります。
  • 計画の具体性が不足 経験がないと、業界特有の課題(食品管理、衛生管理、人件費の管理など)を考慮した計画を立てにくくなります。

対策:

  • 飲食店でのアルバイトや研修を経験し、業界の基本知識を身につける。
  • 経験豊富なスタッフを採用し、その経験を計画書に記載する。

自己資金の準備

創業融資では、自己資金の割合も重要な審査ポイントです。日本政策金融公庫の創業融資では、必要な資金の3分の1程度の自己資金を準備すると良いと言われています。

注意点:

  • 自己資金不足 自己資金が不十分だと、融資が受けられない可能性があります。また、全額を借り入れに頼る計画はリスクが高いと見なされることがあります。
  • 自己資金の出所が不透明 預金通帳に突然大きな入金がある場合、自己資金ではなく借金と判断されることがあります。

対策:

  • 開業資金の3分の1以上を自己資金として用意する。
  • 預金通帳の記録を用意し、自己資金の蓄積過程を証明する。

飲食店特有のコストの見積もり

飲食店の開業には、内装費、厨房機器、広告費、人件費など、さまざまなコストが発生します。これらを過小評価すると、開業後の運営に支障をきたす可能性があります。

注意点:

  • 初期費用の見積もり不足 開業資金が不足すると、設備投資や運転資金に影響を与えます。
  • 運転資金の計画が甘い 開業後すぐに利益が出るとは限らないため、数カ月分の運転資金を確保しておく必要があります。

対策:

  • 内装業者や厨房機器メーカーと相談し、正確な見積もりを取得する。
  • 開業後半年間の運転資金を確保する計画を立てる。

信用情報のチェック

創業融資の審査では、申請者の信用情報も確認されます。過去の延滞や債務整理が記録されていると、審査に悪影響を与える可能性があります。

注意点:

  • クレジットカードの滞納履歴 過去の小さな滞納でも信用に影響を与えることがあります。
  • 他のローンとの兼ね合い 他の借入が多い場合、返済能力に疑問を持たれることがあります。

対策:

  • 融資を申し込む前に、信用情報を信用情報機関(CICなど)で確認する。
  • 過去に滞納がある場合、早急に返済を済ませ、問題を解消する。

成功事例と失敗事例を学ぶ

創業融資を成功させるためには、他の飲食店開業者の事例を参考にすることも有効です。

成功事例:

  • 経験豊富なシェフの例 長年レストランでシェフを務めた人が独立し、経験を活かした計画を提出した結果、スムーズに融資を受けられた。
  • 自己資金を多く用意した例 自己資金を総額の50%近く用意したことで、金融機関の信頼を得た。

失敗事例:

  • 甘い計画が原因で否決 業界未経験者が、売上予測や必要経費を過小評価した計画を提出したため、融資を受けられなかった。
  • 信用情報が原因で拒否 クレジットカードの滞納が審査に影響し、融資が否決された。

申し込み後のフォローアップ

融資の申し込みが終わった後も、金融機関とのコミュニケーションを適切に行うことが重要です。

注意点:

  • 不明点の放置 審査中に追加資料の提出を求められた場合、迅速に対応しないと融資が遅れる可能性があります。
  • 担当者との連絡不足 担当者とのやり取りを疎かにすると、審査に影響を与えることがあります。

対策:

  • 提出書類を事前に整えておく。
  • 審査担当者からの質問には迅速かつ誠実に対応する。

まとめ

飲食店の開業における創業融資は、成功の鍵を握る重要なステップです。ただし、計画が甘かったり、準備が不足していると、融資を受けられないだけでなく、開業後の経営にも悪影響を与える可能性があります。本記事で紹介した注意点を押さえた上で、創業計画書の作成や資金準備を進めましょう。また、経験や知識の不足を補うために、専門家や経験者の意見を取り入れることも成功への近道です。飲食業界での夢を実現するために、慎重な準備と計画を心掛けてください。

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