【町田市の創業融資に強い税理士が業種別に解説!】建設業を始める際の創業融資の注意点
以前、飲食店を始める際の創業融資の注意点について触れましたが、様々な業種の方から創業融資のご相談を頂きます。そこで、今回は建設業の創業融資について解説していきます。
建設業で独立・起業を目指す方にとって、創業融資は事業のスタートを支える重要な資金調達手段です。しかし、建設業は開業資金が高額になりやすく、運転資金も十分に確保しておく必要があるため、融資の審査には慎重に臨む必要があります。本記事では、建設業を始める際の創業融資の注意点や成功のポイントを詳しく解説します。
創業計画書の重要性
これはどの業種でも同じですが、創業融資の審査では、やはり創業計画書の内容が大きな評価ポイントとなります。特に建設業では、仕事の受注方法や運転資金の管理が事業の成否を左右するため、計画が具体的かつ現実的であることが求められます。
注意点
- 受注の見込みが不明確
「仕事は始めてから探す」という考えでは融資を受けるのは難しく、具体的な受注計画がないと厳しく見られてしまう事があります。 - 資金繰り計画の甘さ
建設業は工事完了後に代金を受け取ることが多いため、資金繰りが厳しくなることがあります。運転資金の計画が不足していると、融資を受けても資金ショートするリスクがあります。
対策
- 事前に仕事の受注先を確保し、契約書や発注書を創業計画書に添付する。
- 工事の進捗ごとに支払いが発生する契約形態を想定し、運転資金の必要額を具体的に示す。
業種の経験
建設業は専門知識や技術が必要な業界のため、創業者の経験や資格が重視されます。未経験者が独立する場合、融資の審査が厳しくなる可能性があります。
注意点
- 実務経験が不足していると審査で不利
建設業の実務経験がないと、事業を安定して運営できるか疑問視されます。 - 資格や許認可の未取得
建設業では、業務内容によっては「建設業許可」が必要になります。特に大きな工事を受注するような創業計画を作成した場合には、建設業許可の有無を確認されます。
対策
- 創業計画書に過去の職務経歴をしっかり記載し、建設業の経験が豊富であることを示す。
- 取得済みの資格(施工管理技士、建築士など)を創業計画書に記載し、専門知識があることをアピールする。
- 必要な許認可を事前に調査し、可能であれば申請準備を整えておく。
自己資金の準備
創業融資の審査では、自己資金の有無が重要なポイントになります。日本政策金融公庫では、一般的に総資金の3分の1程度の自己資金を求められることが多いです。
注意点
- 自己資金が不足していると審査に落ちる可能性が高い
例えば、1,500万円の開業資金が必要な場合、500万円程度の自己資金がないと融資が難しくなります。 - 急な入金があると疑われる
融資審査では、自己資金の出所もチェックされます。直前に大きな入金があると、他からの借入金や他人からの贈与ではないかと疑われることがあります。
対策
- 開業を決意した時点から、計画的に自己資金を貯める。
- 預金通帳を用意し、自己資金が長期間にわたって蓄積されてきたことを証明する。
建設業特有の資金繰りリスク
建設業は、材料費や外注費の支払いが先に発生し、代金の回収は工事完了後になることが一般的です。そのため、資金繰りが悪化しやすく、運転資金の不足が大きなリスクとなります。
注意点
- 売上が発生するまでの資金が確保されていない
初回の仕事が終わるまでに数ヶ月かかるケースもあり、運転資金の準備が不十分だと、事業が立ち行かなくなる可能性があります。 - 取引先の支払いサイト(支払期日)が長い
例えば、「月末締めの翌々月払い」などの取引条件では、工事完了後も2〜3ヶ月間は入金がないため、資金がショートするリスクがあります。
対策
- 最低でも6ヶ月分の運転資金を確保する。
- 前払い契約や分割支払い契約を交渉し、資金繰りの負担を軽減する。
信用情報の確認
創業融資の審査では、申請者の信用情報も確認されます。過去のローンの滞納履歴やクレジットカードの延滞があると、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
注意点
- 過去に金融事故があると審査で不利
債務整理や長期延滞の履歴がある場合、信用力が低いと判断され、融資が受けにくくなります。 - 借入が多すぎると審査が厳しくなる
すでに複数のローンを抱えている場合、追加の融資が難しくなることがあります。
対策
- CIC(信用情報機関)などで事前に信用情報を確認し、問題があれば解決する。
- 既存の借入をできるだけ減らしておく。
開業後の事業継続を意識した計画
融資を受けた後、順調に経営を続けることが最も重要です。開業後すぐに資金繰りが苦しくなると、事業の継続が困難になります。
対策
- 固定費(事務所賃料、人件費)を抑え、低コストで運営する。
- 小規模の案件からスタートし、徐々に事業を拡大する。
まとめ
建設業での創業融資を成功させるためには、事前の準備と計画が不可欠です。特に以下のポイントを押さえておくことが重要です。
✅ 事業計画書を具体的に作成し、受注見込みを明確にする
✅ 業界経験や資格を示し、信頼性を高める
✅ 自己資金をしっかり準備し、資金の出所を証明する
✅ 建設業特有の資金繰りリスクを考慮し、運転資金を確保する
✅ 信用情報を事前に確認し、問題がないかチェックする
これらをしっかり準備することで、融資審査の通過率を高め、スムーズな事業運営が可能になります。建設業での独立・起業を成功させるために、万全の準備を整えましょう。
不安な事やご質問がございましたら、町田市の小池税理士事務所までお問い合わせください。