【町田市の創業融資に強い税理士が解説！】創業融資での失敗事例と対策③～業種の経験編
創業融資を受けるためには、事業計画書の質や自己資金、信用情報など、さまざまな要素が重要です。以前の記事で何度も触れているように、創業融資にはいくつかの審査基準があり、その中でも「業種の経験」非常に重要な要素です。経験の有無は、今後の事業の成功可能性を評価する際の重要な指標の一つとなります。この記事では、業種の経験不足が原因で創業融資に失敗した事例を紹介し、その対策について解説します。
業界未経験で飲食店を開業しようとしたAさんのケース
失敗事例：経験不足で計画が現実的でないと判断された例
Aさんは、飲食業界未経験ながら、自分の趣味である料理を活かしてカフェを開業したいと考えました。創業計画書には店舗のデザインやメニューアイデアが細かく書かれていましたが、原価の計算や光熱費等の固定費の予測が全然できてないなど具体的な計画が欠けていました。審査の際、融資担当者から「飲食業の運営経験がないため、計画に現実性が欠けている」と指摘され、最終的に融資は否決されました。
分析：経験不足が原因で信用を得られなかった理由
飲食業は参入障壁が低い一方で、競争が激しく、失敗率も高い業種です。そのため、日本政策金融公庫や民間の金融機関は、申込者が業界での実務経験を持ち、実際の運営に関する知識やスキルを有しているかどうかを重視します。Aさんのように経験がない場合、計画に現実性が感じられず、審査で不利になることがあります。
対策：業界の知識とスキルを補完する方法
- アルバイトや研修で業界経験を積む
Aさんのように業界未経験者が飲食店を開業したい場合、まずは飲食業界でアルバイトや研修を受け、実務経験を積むことが重要です。短期間でも経験を積むことで、業界特有の課題に対する理解が深まり、事業計画書にも説得力が増します。 - 専門家やアドバイザーを活用する
自分自身が未経験でも、業界の専門家や経験豊富なアドバイザーを事業に巻き込むことで、経験不足を補えます。たとえば、経験豊富な店長候補を採用することで、運営面の弱点を補うことができます。
経験不足で過大な利益予測を立てたBさんのケース
失敗事例：経験不足から現実離れした利益計画を立てた例
Bさんは、アパレルショップを立ち上げたいと考え、創業融資を申し込みました。Bさんの事業計画書には、店舗の初期費用や商品仕入れ費用が細かく記載されていましたが、売上予測が実現不可能なほど高い数字でした。審査担当者から「経験がなく、業界の市場規模や競争環境を正しく理解していない」と指摘され、融資は否決されました。
分析：市場や競争環境に関する知識不足
アパレル業界はトレンドの変化が激しく、競争が激しい分野です。売上予測や利益計画を立てる際には、過去の経験や市場データを基にした現実的な数字が求められます。Bさんのように経験がないと、具体的な根拠に基づかない計画となり、融資担当者からの信頼を得ることが難しくなります。
対策：市場調査と現実的な事業計画の作成
・市場調査を徹底的に行う
業界の競争環境や市場規模、ターゲット顧客のニーズを正確に把握するために、データを収集しましょう。具体的な統計や実績データを事業計画書に組み込むことで、計画の信頼性を高められます。
・利益計画に業界の平均値を反映する
経験がない場合でも、業界の平均利益率や売上データを参考にして、現実的な計画を作成することが大切です。
経験不足で初期投資を見誤ったCさんのケース
失敗事例：必要なコストを過小評価した例
Cさんは美容サロンを開業しようと考え、日本政策金融公庫に創業融資を申し込みました。しかし、美容サロンの設備や内装、広告費などの初期投資を過小評価し、融資額が事業運営に対して不十分であることが判明しました。審査担当者から「業界経験がないため、必要な資金を正しく見積もれていない」と指摘され、融資は否決されました。
分析：実務経験の不足がコスト管理に影響
業界経験がないと、必要な設備や資材、スタッフの人件費、運転資金などの具体的なコストを正確に見積もることが難しくなります。Cさんの場合、経験不足が原因で計画が甘くなり、融資審査において信頼を得られませんでした。
対策：経験者の意見を取り入れる
- 同業者からのアドバイスを受ける
業界で成功している知人や、ビジネス経験者からアドバイスを受けることで、実際の運営に必要なコストを正確に把握できます。 - 業界特化型の専門書やセミナーを活用する
業界に特化した書籍やセミナーに参加し、必要な知識を習得することも効果的です。
融資申請の説得力を欠いたDさんのケース
失敗事例：事業計画書が「情熱」だけで埋め尽くされた例
Dさんは、趣味であるハンドメイドアクセサリーのネットショップを立ち上げようと考えました。彼女の事業計画書には、「情熱」や「やりたいこと」が多く記載されていましたが、実務的な内容（在庫管理、集客方法、収益モデルなど）が欠けていました。業界経験がないため、どのように収益を上げるのかが具体的に示されておらず、融資は却下されました。
分析：感情だけでは審査を通過できない理由
金融機関の審査は、感情よりも数字や実績に基づいて行われます。経験がない場合、熱意やアイデアだけでは説得力に欠け、融資を受けるのは難しくなります。
対策：熱意を具体的な計画に落とし込む
・実務的な計画を作成する
事業計画書には、具体的な運営方法、収益モデル、資金計画を記載する必要があります。特に、未経験者の場合は、具体性が信頼につながります。
・小規模な試験運用を行う
ネットショップや小規模なイベントで商品を販売し、その結果を事業計画に反映させることで、経験不足をカバーできます。
まとめ
創業融資において業種の経験不足は大きなハードルになることがありますが、事前の準備と工夫次第でカバーすることが可能です。実務経験を積む、専門家や同業者の助言を得る、徹底的な市場調査を行うなど、経験不足を補う努力が求められます。融資審査を成功させるためには、情熱だけでなく、現実的で具体的な計画を持つことが不可欠です。
不安な事やわからない事がありましたら、創業融資に強い小池税理士事務所までお問い合わせください。
