税理士に会計資料を求められたけど、どんな資料を用意すればいいの?

決算申告や月次の打合せの時期が近づくと依頼している税理士から会計資料を求められることがあると思います。会計職の経験者や以前にも事業をやっていた方であれば、どんな資料を用意すればいいのか分かりますが、初めてだと何をすれば良いか分からないと思います。では、一体どんな資料を用意すれば良いのでしょうか?

 実際のところ、用意する資料は会社や業種によっても異なってきます。ただ、最低限この資料はどの会社や業種でも大体必要になってくるというものがいくつか存在します。 ということで今回は、小池税理士事務所では、初めてのお客さんにどういった会計資料をお願いしているかを紹介していきます。ただし、他の事務所では違ったやり方をしている所もあると思います。予めご了承ください。

用意する会計資料って具体的にどんなもの?

実際どういった資料を用意していくのかを、以下の図の順に説明していこうと思います。また、資料を準備していく中で、いくつか注意するべき点があるので、それもあわせて紹介していきます。

図1「会計資料の一覧」

①通帳のコピー

1つ目は、通帳のコピーです。個人であれば事業に使用している通帳、法人であれば法人口座の通帳のコピーを準備しましょう。ただ、個人の場合、プライベート用と事業用が混ざっていることもあると思います。その場合、事業と全く関係ない項目に関しては黒塗り等にしてしまって大丈夫です。  また、会計ソフトに口座連携している場合、基本的には用意しなくて大丈夫です。

②レシート・領収書

2つ目は経費のレシート・領収書です。事務所の消耗品費であったり、接待に行った際のお店のレシートや領収書をついお財布にぐちゃぐちゃに入れてしまうこともあると思いますが、大事にとっておきましょう。このときにレシート・領収書を以下の図のように、「用途別」や「月ごと」にまとめておくと、後から見返したときに分かりやすく整理がしやすいと思います。

図2「レシート・領収書を用途別にまとめる方法」

図3「レシート・領収書を月ごとにまとめる方法」

なお、クレジットカードの利用明細がある場合には、カード明細とレシートからのどちらも経費計上してしまうことを防ぐためにも、クレジットカードを利用した際のレシートと現金で支払った際のレシートを分けて保管しておくようにしましょう。

③クレジットカードの利用明細

3つ目は、クレジットカードの利用明細です。日々の経費の支払いをクレジットカードで支払っている場合には、その利用明細が毎月発行されると思います。

ただし、クレジットカードの利用明細にはインボイスの番号が載らないこともあり、仕入税額控除の要件となる請求書等に該当しないため、別途会計をした時に発行されるレシート・領収書を保管する必要があります。このときに②で説明したように、現金で支払ったレシートとクレジットカードで支払ったレシート等を分けておくと、現金で支払ったレシート等だけを税理士に送れば良いので、管理が楽になると思います。

④売上・支払請求書

4つ目は、仕入先や外注先からもらう請求書や売上先に発行する請求書です。業種によっては請求書がないということもあると思いますが、その場合には、売上先と仕入外注先への金額を把握できるような資料を準備しておきましょう。

また最近だと、インボイスのチェックもしなければいけないため、その点もあわせて確認しておくと良いでしょう。

⑤給与明細書

5つ目は、毎月の役員報酬や従業員への給与明細書です。特に令和6年6月から定額減税が始まったことで、人によって所得税の源泉徴収額が異なるので、資料で分かるようにしておく方が良いでしょう。

 また、上記で挙げた以外にも、借入金の返済予定表、賃貸借契約書や車を買ったときの注文書のように、そのときどきで必要になってくる資料が多々存在します。ただ、それらに関しては、税理士から求められたら提出をする。というような形で対応してもらえれば大丈夫です。一回で全部の資料が集まらない場合がほとんどですので、安心してください。

まとめ

決算申告時期になると、税理士から色々な会計資料を求められると思います。ただでさえ本業で忙しいのに、それに加えて会計資料の用意をするというのは大きな負担になると思います。ですが、事業を営んでいる以上、決算申告の作業も避けては通れない道です。  事前にどういった会計資料が必要になるかを把握し、日頃から会計資料を整理して、準備しておくことで、結果的に将来の自分の負担を減らすことに繋がると思います。是非今回紹介した内容を参考にしてみて下さい。