起業・開業時のお役立ち情報(2)~会社設立時は社会保険が必須!~

法人設立をして役員報酬を決めたら、次に社会保険の加入手続きが必要です。

社会保険料は年々増加しているため、会社負担が増加すると経営に大きな影響を与えます。

社会保険の仕組みを理解した上で、会社がどれだけの負担が必要なのか把握して必要な手続きをしていきましょう。

社会保険とは

株式会社や合同会社などの法人を設立すると、その会社は従業員の人数に関わらず社会保険の「強制適用事業所」となり社会保険に加入する義務が生じます。

会社が加入すべき「社会保険」には健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の5種類があり、会社によって加入しなければならない社会保険の種類が異なります。

社会保険制度は自治体などの公的な団体が運営し、一般的には健康保険・介護保険・厚生年金保険の3つが「社会保険」と呼ばれ、労災保険と雇用保険の2つは「労働保険」とも呼ばれます。

今回の記事では健康保険・介護保険・厚生年金保険の3つの「社会保険」について詳しく説明をしていきます。

①健康保険

健康保険は業務上以外で起こった病気やケガなどに備えるための医療保険制度です。 加入要件を満たすと従業員だけでなく、その家族も加入できます。

健康保険には種類がいろいろありますが、大抵の中小企業は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に加入することになります。

②厚生年金保険

厚生年金保険は原則的に70歳未満の従業員などが加入する年金制度で、老齢・障害・死亡のいずれかの状態になった場合に、本人や遺族の生活を保障するために年金が支払われます。厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれているため、国民年金の保険料を別に納める必要はありません。

③介護保険(40歳以上は原則加入必須)

介護保険は、介護が必要な高齢者やその家族を社会全体で支えるための保険制度であり、40歳以上のすべての国民が加入する義務があります。

訪問介護や訪問看護などの介護サービスを利用した際、費用の一部が保障されます。

会社設立した場合で代表者に役員報酬を支払う場合は社会保険の加入対象となります。

(役員報酬が0円の場合は加入の義務はありません) また、従業員を雇い入れた場合は、フルタイムおよび週の所定労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員は社会保険の加入対象となります。

社会保険料の仕組みと保険料の算定

社会保険料は、計算の基礎となる標準報酬月額に料率をかけることで月額が算定されます。

標準報酬月額とは、被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬月額を区分したもので、健康保険では1~50等級、厚生年金保険では1~32等級に分類されます。

例えば、東京都の令和6年6月現在の健康保険料率は40歳未満の場合9.98%、

40歳以上の場合は介護保険料も含めて11.58%厚生年金保険料率は18.3%となっており、保険料は会社と従業員が折半で負担します。子ども・子育て拠出金は0.36%となっており、これは会社が全額負担します。

また、毎月の給与だけでなく賞与からも社会保険料は控除されます

保険料率は地域だけでなく年度によっても異なるため、正確な保険料額を知りたい場合には全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページなどを確認してください。
令和6年度保険料額表(令和6年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)

それでは実際に保険料がいくらかかるのか具体例をもとに計算してみましょう。

【例】45歳、給料が月額30万円の方の場合

  • 給料30万円の場合、健康保険・厚生年金保険の保険料額表を見ると、標準報酬は22等級 = 標準報酬月額30万円となります。
  • 料率は、子ども・子育て拠出金を考慮外とすると、健康保険が11.58%、厚生年金が18.3%になるので、料率の合算は29.88%です。

社会保険料の総額は、①に②を乗じて算出しますので、
30万円 × 29.88% =89,640 になります。
これを折半すると44,820円となり、会社・従業員それぞれの負担分になります。

以下のように概算で料率の数字を覚えておくと、給料の試算をするときに便利です。

  • 給料 × 約30%が社会保険料の総額
  • 給料 × 約15%が会社負担額
  • 給料 × 約15%が従業員負担額

社会保険料の支払い先

社会保険料は役員報酬や従業員の給与からあらかじめ負担分を差し引き、そこに会社の負担分を加えて支払います。

社会保険料の支払い期限は、対象月の翌月末です。6月分の社会保険料は7月31日までに支払わなければなりません。納付方法は大きく分けて、金融機関の窓口での直接納付、指定口座からの振替、電子納付の3つがあげられますが、納入告知書(納付書)が届いてから納付期限までは10日程度しかないためあらかじめ資金を準備していく必要があります。

まとめ

原則として、法人を設立して役員報酬や給与が発生すると社会保険に加入する義務があることをご説明させていただきました。

社会保険の加入は、会社経営・事業運営・資金繰り等に関わる重要な内容です。

社会保険の仕組みを知ることはもちろん、発生する保険料を事前に把握して、事業計画や資金繰りに反映させることが会社経営には欠かせません。

社会保険の加入義務があるにもかかわらず、未加入の状態が続くと罰金の対象となり、従業員との信頼関係を失うだけでなく会社としての信用も損なわれてしまいます。 まずは、自分の会社は社会保険に加入する必要があるのか、加入する場合は保険料がいくらかかるのか、適切な加入手続きはどのようにするのかを事前に知ることがとても大切です。ご相談は町田の小池税理士事務所までぜひお問い合わせください。