様々な融資制度を利用して上手にお金を借りましょう(1)~日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金

日本政策金融公庫の融資や民間の金融機関で受けられる融資には様々な制度があります。その制度を利用する事で、通常の融資制度よりも好条件で借りられるケースもあります。
今回は日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」という制度について解説致します。

女性、若者/シニア起業家支援資金とは

この制度は、「信用力が低く評価されがちな女性や若者、シニアの起業家は、特に資金調達において困難に直面していることから、政策金融による支援が必要」として創られた制度です。

(参照:女性、若者/シニア起業家支援資金(METI/経済産業省))

このような方々が起業して社会で活躍することを国として応援しているという事ですね。

日本政策金融公庫のHPによると、「女性、若者/シニア起業家支援資金」をご利用いただける方は、「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方のうち、女性または35歳未満か55歳以上の方」と記載されています。

(参照:新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp))

つまり創業期の方で、女性は年齢制限なし、男性は35歳未満の方か55歳以上の方がこの制度を受ける事ができるのです。

こちらは単独ではなく、他の融資制度と組み合わせて利用することができるので、創業融資(新創業融資制度)と併用する事で効果を発揮します。

通常の創業融資を受けるのと何が違うのか?と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、そのメリットを解説していきます。

金利が変わる

一番わかりやすく、そして大きなメリットとなるのが、金利です。

女性、若者/シニア起業家支援資金の制度を利用すると、公庫の特別利率で利用する事ができます。利率の適用には様々な要件があるので一概には言えませんが、この制度を利用すると一般的には0.4%ほど、特殊な要件を満たすと最大1%ほど金利が下がる可能性もあります。

1年間に支払う金利が数万円下がる事になるので、特に創業期の方には非常にありがたい制度だと思います。

自己資金要件がない

女性、若者/シニア起業家支援資金を受ける要件には、自己資金の要件はありません。

通常の創業融資では、創業に必要な資金の10分の1以上の自己資金が必要とされていますが、この制度を利用するとその自己資金要件を満たさなくても融資を受けられる可能性があります。

ただし、実際には審査の過程でかなり厳しく見られる事になります。

要件にないだけで、審査をする上では創業に必要な資金の10分の1は自己資金が無いと難しいと判断されるケースが多いです。

状況によっては10分の1に満たなくても受けられる可能性はありますが、基本的にはしっかり自己資金を準備しておきましょう。

女性、若者/シニア起業家支援資金の注意点

女性、若者/シニア起業家支援資金に関わらず、どの制度を利用するかは自分で選択する事ができません。公庫の担当者が面談等を通じてどの制度を使う事ができるか判断していきます。

基本的には公庫の担当者がより良い制度を選んでくれますし、「この制度を使えますね」と教えてくれる事が多いので大丈夫かと思いますが、どうしても気になる時は、「女性、若者/シニア起業家支援資金を使う事ができますか?」などと確認してみてもいいかもしれないです。

まとめ

今回は日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」について解説致しました。

民間の金融機関でも同様の支援制度を利用できる場合もあります。こういった制度は地域によっても違ったり、制度自体に期限があったりとそれぞれ異なる点が多いです。

東京都の場合、女性・若者・シニア創業サポート事業という制度がありますが、融資実行は令和6年3月までと限りがあります。(令和6年1月時点。)

その他にも日本政策金融公庫の制度、地域ごとの制度には様々な融資制度があります。

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