【町田市の税理士が解説!】創業社長が最初に整えるべき“労務管理”のポイント~トラブルを未然に防ぐ実務ガイド
会社を設立すると、資金繰り・営業・採用など優先すべきことが多くあります。しかしその中で後回しになりがちなのが“労務管理”。創業期は社長の目が届く反面、たった1つのミスが大きなトラブルに発展しやすい時期でもあります。退職トラブル、残業代請求、契約書の不備……こうした問題が起きてしまうと、本業に集中できず、会社の信頼にも影響することがあります。
この記事では、設立1〜3年目の企業で特に多い労務トラブルと、その未然防止策を簡潔にまとめます。
就業規則を整えずに採用を進めるリスク
「社員がまだ少ない」「ルールを作るほどでもない」と就業規則を後回しにするケースは多いですが、これは創業期の典型的なトラブル要因です。
- 残業の扱いが曖昧で未払い扱いに
- 副業のルールがなく情報漏洩リスク
- 試用期間の判断基準が曖昧で解雇トラブル
- 休日の取り扱いが不明確
創業期こそ、「会社としての基本ルール」を整えておくことが、社長自身を守る最大の予防策。テンプレートでは自社の働き方に合わないことも多く、採用前に整えるのが理想です。
給与計算の初期設定ミスは後から修正が難しい
創業初期で非常に多いのが、給与計算ソフトの初期設定ミスです。
- 残業単価の誤り
- 通勤手当の課税・非課税の逆設定
- 社会保険料率の更新漏れ
- 年末調整の扶養区分ミス
最初の数カ月で設定を誤ったまま運用すると、過去にさかのぼって修正する必要が生じ、社員の不信感や追加作業が大きな負担になります。創業期ほど、労務と税務に精通した専門家のチェックが有効です。
残業のルールを曖昧にすると必ず揉める
「残業は禁止にしているから」「固定残業代を払っているから」という誤解から生じるトラブルは非常に多いです。
実務では、
- 残業禁止でも、実際に働けば残業代は発生
- 固定残業代は設定が不適切だと無効
- 勤怠記録がなければ会社側が不利
という原則があります。創業期こそ、残業の命令ルール、固定残業代の扱い、勤怠管理の方法を明文化しておくことが重要です。
退職トラブルは“入社時の書類”で予防
小規模企業では1人の退職が与える影響が大きいため、退職時のトラブルはダメージになりがちです。しかし、入社時の書類を整えておくことでほとんどの問題は防げます。
- 雇用契約書がなく条件が曖昧
- 給与の締日・支払日を記載していない
- 機密保持が口頭のまま
- 貸与物の返却ルールがない
最低限、以下の3つは必ず用意しましょう。
- 雇用契約書
- 労働条件通知書(電子交付可)
- 機密保持契約書(NDA)
創業期は「入社時の整備」が後のトラブル予防コストを大幅に下げます。
社員5名を超えたら“仕組み化”が必要な段階に
社員数が4〜6名になるタイミングで、労務トラブルが急増します。理由は、社長だけでは全員の状況を把握しづらくなるためです。
ここからは次のような“仕組み”が必要になります。
- 勤怠承認フロー
- 有給管理簿
- 指揮命令系統の整理
- トラブル時の相談窓口
仕組みが整うことで社員の定着率が上がり、採用力も向上します。
まとめ
労務管理は守りの業務に見えて、実は会社の成長を支える“攻めの土台”です。早期に整えておくことで、採用力向上、社員の定着、トラブル防止、社長の時間創出など多くのメリットがあります。
町田市周辺で創業間もない企業の労務・給与・就業規則に不安がある社長は、ぜひ「町田市の小池税理士事務所」へご相談ください。
貴社の状況に合わせた労務・税務の仕組みづくりを、専門家が丁寧にサポートいたします。

