【町田市の税理士が解説!】償却資産税とは?~対象・申告・計算方法まで徹底解説!

事業を営む上で避けて通れないのが「税金」の問題です。

法人税や所得税、消費税ほど知られてはいないものの、実は毎年申告が必要な「償却資産税」という地方税が存在します。

この税金を知らずに申告を怠ると、後々「追徴課税」や「延滞金」などの思わぬ負担が発生することもあります。

今回は、そんな償却資産税について、「何が対象になるの?」「どうやって申告するの?」「税額はいくらかかるの?」といった疑問をわかりやすく解説します。

償却資産税とは?

償却資産税は、事業用に使っている固定資産にかかる地方税の一つで、地方自治体(市町村)が課税主体です。
同じ「固定資産税」という名前でも、私たちが住宅や土地に支払うものとは別で、対象となるのは事業用の機械や設備、器具などの資産です。

例えば、下記のようなものが該当します。

・製造業:工作機械、コンベア

・美容室:ドライヤー、シャンプー台、鏡台

・飲食店:冷蔵庫、厨房機器、カウンター

・事務所:デスク、パソコン、プリンター

個人事業主・法人問わず、事業のためにこれらの資産を所有していれば、原則として償却資産税の申告が必要になります。

償却資産税の対象となる資産とは?

すべての資産が対象になるわけではありません。償却資産税の対象となるのは、次のような資産です。

◆対象資産の条件

下記の条件を満たすものが課税対象となります。

1、事業のために使用していること

2、土地や建物ではないこと

3、減価償却の対象であること

◆非課税・対象外の資産

・土地・家屋(固定資産税の対象)

・自動車・バイク(自動車税の対象)

・取得価額が10万円未満の少額資産

・耐用年数が1年未満の資産

・リース資産(オペレーティングリース)

誰がいつまでに申告するの?

償却資産税は、自己申告制です。つまり、課税当局(市区町村)は自動的に把握できないため、毎年1月1日時点で資産を所有している事業者が、1月31日までに申告書を提出する必要があります。

提出先:資産を所有している所在地の市区町村役場

提出期限:毎年1月31日(郵送・窓口・eLTAX対応)

・対象者:法人企業(本社、支店、営業所)

個人事業主(フリーランス、美容室、飲食店など)

税額の計算方法

税額は、申告された資産に対して市区町村が評価し、以下の計算式で決まります。

 税額=課税標準額×税率(通常1.4%)

◆課税標準額とは?

 課税標準額とは、取得価額から減価償却を行った評価額のことです。

資産の耐用年数に応じて、毎年価値が減っていきます。

例えば、取得価額100万円、減価率0.2(20%)、定率法の機械なら

1年目:100万円-(100万円×0.2×1/2)=90万円

2年目:90万円-90万円×0.2=72万円

というふうに減っていきます。

ただし、評価額は原則として取得価額の5%までしか減りません

◆課税されないケースもある?

 実は、資産合計の課税標準額が150万円未満であれば、その年度の償却資産税は課税されません。
ただし、申告自体は必要なので、課税されない場合でも毎年忘れずに申告しましょう。

注意点・よくある間違い

①既に処分した資産を申告してしまった!

これはよくある間違いです。
償却資産税は1月1日時点で所有している資産のみが対象です。前年のうちに処分・売却したものは、申告対象から外す必要があります。

②リース資産はどうなるの?

 ファイナンスリース契約であれば、借り手が資産として申告する必要があります。契約内容により判断が分かれるため、必ず契約書を確認しましょう。

③提出を忘れていた!

 未申告が発覚すると、過去数年分をさかのぼって課税されることがあります。加えて、過少申告加算税や延滞金が発生するリスクも。申告期限は厳守しましょう。

まとめ

償却資産税は、事業者にとって見落とされがちな地方税ですが、申告・納税を怠ると大きなトラブルにつながります。

申告漏れやミスがあると、追徴課税や延滞金のリスクもあるため、毎年の確認と正確な管理が不可欠です。 事業者の皆さんはぜひ早めに対応をしていきましょう。