【町田市の税理士が解説する!】123万円ではなく、160万円⁉~160万円の壁で生活はどう変わる?

昨年より、議論が重ねられていた「年収103万円の壁」について、これまで123万円や178万円などの案が出てきていましたが、最終的に最大年収160万円まで引き上げられることが決定しました。
そもそも令和7年の税制改正大綱では、
所得税の基礎控除が48万円⇒58万円に、給与所得控除の最低ラインが55万円⇒65万円に引き上げられることにより、58万円+65万円=123万円までは所得税が課税されなくなり、それに伴い、配偶者控除や扶養控除についても年収123万円のラインで判定されるという、いわゆる「123万円の壁」となる予定でした。
ただ、2025年3月の衆議院本会議で生活保護基準や最低賃金の水準などを考慮し、控除額を最大160万円まで引き上げることに決定されました。
では、これにより私たちの生活にどのような影響があるのかを解説していきます。
160万円の壁とは?
160万円の壁のポイントは、全員が160万円まで所得税が非課税になるというわけではなく、年収に応じて123万円の非課税枠に、以下のような基礎控除の上乗せが行われるという点です。
- 給与収入200万円以下:37万円(恒久的な上乗せ)
- 給与収入200万円~475万円以下:30万円(2年間限定の上乗せ)
- 給与収入475万円~665万円以下:10万円(2年間限定の上乗せ)
- 給与収入665万円~850万円以下:5万円(2年間限定の上乗せ)
- 給与収入850万円超:基礎控除の上乗せナシ
上記のように、年収200万円以下の場合であれば、123万円+37万円が控除額になるため、今後は文字通り「160万円の壁」として、給与年収160万円までは所得税が課されませんが、年収200万円を超える場合は、基礎控除の上乗せが段階的に減っていく仕組みになっています。
また、この基礎控除の上乗せは2年間限定ですので、令和9年以降は控除額が123万円に戻ることになります。
年収別 実際の減税額は?
では、「160万円の壁」になることで、実際どのくらい私たちに恩恵があるのでしょうか。
年収別(200万円・400万円・600万円・800万円・850万円超)で試算をすると以下の表のような結果になります。

今回の改正では、どの年収の階層でも同程度の恩恵が受けられるよう設定されており、基礎控除の上乗せの対象になる人は全国で4,600万人とされています。 ただ前述しましたが、年収200万円を超える場合は、令和9年から控除額が123万円に戻るため、注意が必要です。
見落とされがちな社会保険料の壁
今回の改正では、所得税の壁が103万円から最大160万円に引き上げられますが、社会保険については改正がありませんでした。
仮に今まで扶養の範囲内で働いていた人が、所得税がかからない160万円まで稼ごうとすると、扶養から抜け、自分で社会保険に加入する必要があるため、160万円そのままが手取りになるわけではありません。
また、住民税においても基礎控除額は据え置かれているため、160万円まで稼ごうとすると、住民税は課されることになるので注意が必要です。
まとめ
今回の改正で所得税の控除額が引き上げられたことにより、年間数万円の手取りが増えることになります。ただ、計算方法が複雑だったり、社会保険等の壁は据置のため、今後の働き方を考えるときに様々なことを考慮しなければいけなくなったことも事実です。
自分で税金や社会保険料の計算をするのが不安な方は、専門家に依頼することも一つの方法だと思います。不安な事やご質問がございましたら、町田市の小池税理士事務所までお問い合わせください。